第57回日本生殖医学会 内膜生検/IFCEの成績の報告

第57回日本生殖医学会 内膜生検/IFCEの成績の報告

医局カンファレンスです。

11月9日、日本生殖医学会(長崎)で、当院の内膜生検の成績を報告し、IFCEについて紹介してきました。

8月3日のブログでも簡単に紹介したのですが、今回は条件をできるだけ統一し、反復着床不全のなかでも、形態良好な胚移植を3回行ったにもかかわらず、いずれも妊娠反応陰性であった患者様に絞って検討しました。

妊娠して胎嚢まで確認できた割合と、その後、流産することなく妊娠12週を超えて継続できる妊娠の割合は、それぞれ、IFCEを受けずに次の胚移植をした場合で12.2%と8.2%であったのに対して、IFCEを受けて胚移植に進んだ場合は37.5%と25.0%でした。

実に3倍以上の開きがあり、統計処理をするまでもなく、IFCEを受けた場合に軍配が上がりました。
なお、生検にともなう重大な合併症は認めませんでした。
この内容は、専門誌「Clinical and Experimental Obstetrics & Gynecology」に当院から投稿しており、近く掲載されます。

長崎の生殖医学会の発表では、IFCEによる検査・治療方針を、子宮内膜マクロポリープ・粘膜下筋腫、慢性子宮内膜炎、正常子宮内膜に分けて説明しました。
初めての正式な国内学会での発表でもあり、多くの参加者からご質問・ご討議をいただきました。

ブログなどを通して、患者様の間でも内膜生検/IFCEの有効性が広まってきており、現在、予約が込み合っております。遠方からのお問い合わせも多数いただいている状況ですが、当院では、内膜生検、子宮鏡、病理検査、必要に応じた抗生剤治療、そして次の胚移植まで、系統立てて行うことが妊娠成功に重要であると考えています。