ASRM 着床関連トピックス…その3

ASRM 着床関連トピックス…その3

医局カンファレンスです。

「子宮移植で妊娠成立」というポスター掲示を見つけました。、といっても、ウサギでの話ですが。

移植手術が成功したウサギに対して、約3か月後に再開腹手術により胚移植を行っています。
3か月の間に2回もの大手術に耐えた強靱なウサギの移植子宮には超音波で胎嚢が認められ、16日目まで成長したようです。
残念ながら、その後は縮小していき、やがて超音波では見えなくなってしまいましたが、組織検査では着床と胎嚢を確認できたと書かれてありました。

先月スウェーデンで、先天的または手術摘出により子宮を持たない二人の女性に対して、母から提供された子宮が移植されたとの報道がありました。
当初は認めていなかった国の倫理審査委員会は、監視のための特別委員会の設置を条件に移植手術を許可したそうです。

またカニクイザルに子宮移植を行い、自然妊娠・帝王切開分娩したレポートも、最近、専門誌“Human Reproduction”に掲載されました。
もちろん、実施には安全性・倫理面をクリアするために大きな問題はありますが、こういった治療に頼らざるを得ない方も少なからずおられます。今後の進展に期待したいです。

他にはG-CSF製剤の反復着床不全への可能性を期待させるデータや国内では未承認の黄体補充用ホルモン剤の話題などを知ることができました。
去年数多く取り上げられていた題材はあまり目立たず内容は大きく様変わりしていました。
生殖医療の国際的な進展の目覚ましさを改めて実感した3日間でした。