Small World

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理事長の中村嘉孝です。

着床前診断(PGD、PGS)のセミナーで、ギリシャのテッサロニキという街に来ています。実は先週もチェコのプラハで開かれた、着床前診断についてのESHRE主催のセミナーに参加していました。
どちらも2日間だけですので、日本との往復を考えるとおそろしく効率の悪い出張なのですが、絶対に外せない内容です。今回のセミナーでは、クリニックのラボ内で実際の手技も行いました。
自分でマニピュレーターを扱うのは10年ぶりだったので、大丈夫か不安だったのですが、すぐに勘が戻ってきて、無事に終えることができました。

学会では着床前診断について色々と議論が続いているものの、これらのセミナーで各国の研究者たちと直接会ってディスカッションすると、要するに、胚盤胞でのTEバイオプシーが一番妥当だと思います。
また、解析法については、aCGHから次世代シーケンサーに移行していくべきでしょう。

しかし、世界は狭いものですね。参加者は20人ほどだったのですが、スペインのエンブリオロジストは義理の妹が日本人だというし、ベラルーシの遺伝学者はお父さんが日本で研究をしていたとのこと。
ベルギーのエンブリオロジストは、日本中を自転車旅行したことがあって、来月も大阪に来るというし、ベトナムのドクターは今年の春まで大阪大学にいたとのことで、豊中近辺の回転寿司はどこが旨いか教えてくれました。

ご存知の通り、生殖補助医療には各国それぞれの規制があります。
しかし、国境を越えて治療を受けることは、ますます簡単になっています。