理事長の中村嘉孝です。
昨日、受精着床学会への参加で大阪に来ておられる、バンコクのドクターとお会いしました。待合せに指定されたのは、「ひっかけ橋」こと戎橋。ミナミの待合せの定番だとはいえ、外国人から言われて大変おどろきました。
橋のたもとのビルにある「しゃぶしゃぶ食べ放題」のお店でご一緒したのですが、色々とタイの体外受精の事情を伺うことができました。
一月ほど前に新聞報道がありましたが、現在、男女産み分けの着床前診断(PGD)を受けるために多くの日本人がタイのクリニックを訪れています。その先生のクリニックでも日本人患者が増えており、施設を拡充しているところだと言っておられました。
ところで、タイでは結婚も早く、人口は増えていっているものだと私は思い込んでいたのですが、実際のところ、最近の人口は平衡状態で、増えていないそうです。
「どうしてですか」と尋ねると、先生はエンブリオロジストの女性スタッフ陣を指差して、「だって、彼女も、彼女も、彼女も、皆、独身ですよ。」との返事。
教育水準が上がり、出産率が低下していく傾向は、世界中どこでも同じなのだと、あらためて思い知らされました。
さて、以前は男の子が女の子に声を掛けているのをよく見かけた「ひっかけ橋」ですが、最近は、水商売のスカウトらしき姿は多いものの、一般の男子がナンパするところをあまり見かけなくなりました。
橋下市政の顧問を務める堺屋太一氏の提案で、道頓堀に全長1キロメートルの巨大プールをつくって集客する計画があるようです。しかし、人口も経済も右肩上がりで若さがみなぎっていた大阪万博の頃から、すべてが様変わりしてしまったことを、堺屋氏は理解しているのでしょうか。
酔った頭でそんなことを考えつつ、二年前に付け替えられ、すっかりきれいになった戎橋を後にしました。