立場

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理事長の中村嘉孝です。

ブログで船曳医師が『in her shoes』という映画を紹介していましたが、「in one’s shoes」というのは、「誰々の立場にたってみて」という意味ですね。

先日、堺の居酒屋に行ったときのこと。入り口で靴を預けて座敷に上がるようになっているのですが、下駄箱のカギを自分で持つのではなく、店員さんが棚に並べて管理しています。番号札もないので、「大丈夫ですか?」と聞くと、笑顔で「いや、覚えていますから」という答えでした。

そして、焼酎をしこたま飲み、足元がふらつきながら帰った翌朝、玄関には見覚えのない靴がありました。料亭のように専任の下足番がいるわけもなく、起こるべくして起こった「事故」でした。

まあ、酔っ払いが人の靴を履いて帰ったというのは、笑い話ですみますが、医療機関では、そうはいきません。私どもでも、たとえば受精卵の管理には、一個一個にIDを付けるなど徹底した体勢で、取り違えに細心の注意を払うように努めていますが、時にはヒヤリとさせられることがあります。

よいシステムをつくるには、管理者の立場だけではなく、患者様の立場、現場の各職種の立場にたってみて、色々な角度から考えなければなりません。私どもでは、週一回の院内安全管理委員会に全ての職種が参加し、これらのニアミス事例を検討するようにしています。

さて、間違えて履いて帰った靴ですが、なかなか履き心地がよく、今度買うときには、これにしようと考えています。