理事長の中村嘉孝です。
産業医の研修で、九州の小倉に来ています。
産業医というと、「アスベストの塵肺」とか過酷な作業現場の衛生管理といったイメージで、産婦人科には何の関係もなさそうに思われるのですが、実はオーク会でも、ある会社の医事顧問をしています。
その会社には、もともと産業医がいるのですが、女性の職員が大半なので、従来の産業医では対応できない様々なデリケートな問題が、日常的に起こります。
そのために、産婦人科を専門としている当院に、助言業務を求めてこられたのです。
また、「寿退社」が昔の話となり、妊娠、出産をしながら仕事を続けるのが当たり前の時代となって、逆にいえば、いかに計画的に妊娠、出産を行うかが、女性のキャリア形成にとって非常に重要になってきています。
もちろん、不妊症治療についても、そのようなライフステージの視点から考えることが必要になっています。
今回の研修は一週間にわたって、産業医学全般について行われ、作業環境測定からメンタルヘルスまで、幅広い分野の集中講義が行われます。しかし、残念ながら女性についての講義はありません。
まだ、それほど重要性が認識されていないのでしょう。
ところで、事前の注意事項に、「毎日10時間、講堂の椅子に座り続けて講義を聴くことになるので、各自、クッションを持ってくるなどするように」と書かれていました。
労働者の環境だけではなく、学習者の環境にも、もう少し気を遣っていただけないものかと思いました。