検査部の奥平です。
11月8日に院内で開催された勉強会より、論文紹介(Oak Journal Review)の内容をお届けします。
今回ご紹介する論文は、
Universal SARS-CoV-2 polymerase chain reaction screening and assisted reproductive technology in a coronavirus disease 2019 pandemic epicenter screening and cycle outcomes from a New York City fertility center.
Shaw J, Tozour J, Blakemore JK, Grifo J.
Fertil Steril. 2021 Oct;116(4):980-987.
です。
依然として新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は世界中で続いており、新規感染者数が急増している国々もあります。また、最近では新たな変異株である「オミクロン」が報告されており、その感染の動向に注目が集まっています。変異株やワクチンの効果問題など次から次へと新たな懸念事項が出てきていますが、とにかく一刻も早い世界全体での感染収束を願うばかりです。
今のところ日本では感染状況が落ち着いており、日常生活を取り戻しつつあります。不妊治療においても、オンライン診療の活用や患者様と医療従事者の感染予防の努力などにより、問題なく治療を提供できています。新型コロナウイルスが報告され始めた頃は、ART関連学会が不妊治療の延期を推奨する声明を出しており、多くの患者様が通院すべきか悩まれたと思います。しかしながら、不妊治療は時間(加齢)との勝負であり、治療の中止は妊娠への機会を遠ざけてしまうことになります。したがって、新型コロナ流行時であっても、感染対策を徹底しながら、安心安全なART治療の継続的な提供が望まれます。また、治療成績への悪影響も無いことも重要な課題です。
そこで、今回は新型コロナウイルスパンデミック時の採卵成績について調べた論文をご紹介させていただきます。本論文は、新型コロナウイルス感染の震源地の一つであるニューヨーク市にある不妊治療施設から報告されています。本文中では、パンデミック時における採卵に向けての対策や、採卵成績、採卵患者のPCR検査陽性率について述べられており、大変興味深い内容でした。
詳細は動画をご覧ください。