Oak Journal Review:胞状卵胞の数と平均気温は負の相関

Oak Journal Review:胞状卵胞の数と平均気温は負の相関

こんにちは。検査部の鈴木です。
10月11日に開催いたしましたOak Journal and Case Reviewより、私がOak Journal Reviewで紹介した論文の内容を短く動画にまとめて公開いたしました。
今回紹介した論文は、気温が卵巣予備能に与える影響を調べた

Impact of ambient temperature on ovarian reserve.
Gaskins AJ, Mínguez-Alarcón L, VoPham T, Hart JE, et al.
Fertil Steril 2021;116(4):1052–60.

です。

毎年気持ちの良い新緑の季節を過ぎると、今年はどんな暑い夏になるのだろう?豪雨被害がないと良いな、と思わない年はありません。
この猛暑の原因はいくつか考えられていますが、その一つに温室効果ガスによる地球温暖化があります。順調にという言い方は変ですが、温室効果ガスの1つである二酸化炭素濃度が毎年綺麗に上昇しています(参照1, 2)。


WMO GREENHOUSE BULLETIN No. 17より引用

とは言ってもスケールが大きい地球規模の話で、猛暑を除くと今一つ身近に感じられません。
しかし今回紹介した論文は、地球温暖化と私たちの体は無関係ではないことを示しています。直接地球温暖化の影響を示してはいませんが、平均気温の変化が卵巣予備能(胞状卵胞の数)に影響を与えているとのことです。

平均気温の上昇は、これから妊娠を望まれる患者様にプラスとなるのでしょうか?それともマイナスの影響を与えるのでしょうか? 
詳しくはこちらの解説動画をご覧ください。

参照:

  1. Greenhouse Gas Bulletin: Another Year Another Record. (WMO 世界気象機関)
    https://public.wmo.int/en/media/press-release/greenhouse-gas-bulletin-another-year-another-record
  1. WMO Greenhouse Gas Bulletin (GHG Bulletin) – No.17: The State of Greenhouse Gases in the Atmosphere Based on Global Observations through 2020
    https://library.wmo.int/index.php?lvl=notice_display&id=21975#.YXdk5Z7P2Ul