オーク会事務部です。
不妊に関するニュースをまとめて、定期的に発信しています。
客観的な事実に基づいたニュースをお届けします。
2015年7月の主なニュースは、次の2つです。
*高齢妊娠増加で羊水検査が13年に過去最多2万件超
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG25H94_W5A620C1000000/
(2015/6/26 12:10)
<このニュースのポイント>
- 胎児の染色体疾患の有無を調べる羊水検査が2013年には約2万600件実施され、過去最多
- 高齢妊娠を背景に出生前診断への関心の広がりが背景に
<サマリー>
胎児の染色体疾患の有無を調べる羊水検査が2013年に約2万600件(前年比3%増)実施され、過去最多となったことが国立成育医療研究センターで実施した出生前診断に関する調査で分かりました。
染色体疾患がある確率を算出する母体血清マーカー検査も約2万6,400件(同9.5%増)と最多で、胎児の疾患の可能性が高まるとされる高齢妊娠を背景に出生前診断への関心が示されています。
13年には高精度の新出生前診断が開始され、結果が陰性なら流産リスクのある羊水検査を回避できる事から動向が注目されましたが、羊水検査診断の減少はありませんでした。
左合センター長は「新出生前診断は実施施設や対象者が限られていたため、従来の検査を受ける人が増えた」と話しています。
*iPSで人の精子や卵子のもと作製に京大が成功
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG16HAU_W5A710C1CR8000/
(2015/7/17 2:00)
<このニュースのポイント>
- iPS細胞から精子や卵子のもととなる「始原生殖細胞」を作る実験に成功した
- 研究チームは今後、人の精子や卵子を作る技術を開発する計画
- しかし文部科学省は人のiPS細胞から作った精子や卵子を受精させる実験を禁じている
<サマリー>
京都大の斎藤教授らが、人のiPS細胞から精子や卵子のもととなる始原生殖細胞を作ることに成功しました。
将来、試験管内で精子や卵子を作れるようになれば、親から子が生まれるしくみの解明に役立つとしています。
実験過程で人のiPS細胞を一定条件のもとで培養し、生殖細胞に変化しやすくなる複数の試薬をかけたところ、細胞がマウスやカニクイザルの始原生殖細胞に性質が似ていたため、人の始原生殖細胞ができたと結論づけました。
今後は人の精子や卵子を作る技術を開発する計画ですが、文部科学省は人のiPS細胞から作った精子や卵子を受精させる実験を禁じているため、斎藤教授は「受精の実験を進めて良いかどうかは社会的な議論が必要になる」と話しています。
当院では、体外受精セミナーを定期的に開催しています。詳細はこちらまで。