学会報告:日本女性医学学会に参加して

学会報告:日本女性医学学会に参加して

北脇 城

2024年11月9日から2日間、宇都宮市で開催された「第39回日本女性医学学会学術集会」に参加してきました。日本女性医学学会は会員数4,000名以上を誇る大規模な学会で、主な目的は「更年期を中心とした実地臨床・病理、ならびに女性のライフステージに応じた健康管理の進歩・発展を図り、社会全体の福祉に貢献すること」です。

私自身、この学会の役員を務めており、今回は「エストロゲンの基礎と臨床」に関するシンポジウムで座長を担当しました(写真)。エストロゲンは「卵胞ホルモン」とも呼ばれ、女性の生殖機能において重要な役割を果たすホルモンです。

エストロゲンは総称であり、その中にはエストロン(E1)、エストラジオール(E2)、エストリオール(E3)といった化合物が含まれています。今回の学会では、新たにエステトロール(E4)を含む低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)が製造承認されたことが報告されました。E4は、従来のエストロゲン製剤における副作用の1つである深部静脈血栓症のリスクを軽減する可能性があるとして注目されています。月経困難症で苦しむ患者様にとって大きな希望となることを期待し、その発売を待ち望んでいます。

また、学会では「子宮鏡ハンズオンセミナー」も開催されました。オフィスギネコロジーという用語がありますが、これは小規模で開業している婦人科診療のことを指します。オフィスギネコロジーの運営は、この学会における重要なテーマの1つです。

ブログで何度かお伝えしている「細径子宮鏡を使用した子宮内膜ポリープ切除術」(1、2)は、このようなクリニックでも手軽に実施できる技術です。当院でも、このシステムをいち早く導入しています。これにより、精密かつ安全な子宮内手術を日帰りで実施することが可能となり、患者様の負担軽減に寄与しています。

不妊症や着床不全の原因となり得る子宮内膜ポリープは、ヒステロファイバースコピーという安価で簡便な検査方法で診断が可能です。子宮内膜ポリープが発見された場合には、患者様への負担を最小限に抑えつつ、着床率を向上させる治療法を提供してまいります。

【参照】
■第39回日本女性医学学会学術集会
会期:2024年11月9日(土)、10日(日)
会場:ライトキューブ宇都宮(栃木県宇都宮市)
HP:https://www.congre.co.jp/jmwh39/contents/general.html

■子宮内膜ポリープと慢性子宮内膜炎について(ブログ)
■学会報告:日本産科婦人科内視鏡学会(ブログ)


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