日本生殖医学会に参加しました

日本生殖医学会に参加しました

先日、日本生殖医学会に参加してきました。僕の発表は、「TESE(精巣内精子回収術)時のJohnsen’s scoreと精子回収とそのアウトカムについて」でした。

そのなかで非閉塞性無精子症やcryptzoospermia(普通に顕微鏡で精子を探せば精子は発見できないが、精液を遠沈して内容物を集めるとそこに数匹の精子を認めるような状態)の方でも妊娠成立し、無事に出産されていることを報告しました。

僕の隣の発表は射精困難な方にTESEを施行し、その結果を報告されていました(岩端威之、獨協医科大学越谷病院泌尿器科)。
交通事故等での脊髄損傷により射精困難になった方については、教科書的には、前立腺のマッサージや電気刺激等での回収を行うことになっていました。ところが、刺激をして射精を行った場合、その刺激により炎症がおき、最終的には精子の状態が悪くなる、また、処置が不快であるなどの理由であまり行われなくなってきたとのことです。

当院でも射精困難な方には、ED治療薬や生活指導を試みますが、最終的にはTESEを行うことがほとんどです。精巣内精子は、射精精子に比べ、運動率が劣ることはありますが、DNAの損傷については、精巣内精子のほうが少ないといわれています。
治療的にも確実に新鮮な状態で精子を回収できることには、非常にメリットがあります。