生殖能力において最近は女性の年齢がよく話題になっています。
皆さんご存知だと思いますが個人差はあるものの一般に女性の生殖能力のピークは28歳ごろでその後ゆっくり下がっていきます。35歳を過ぎるとさらに下がり、37歳、40歳とその速度は速くなります。
これは、卵子の質つまり配偶子の問題によるところが大きいのです。
ところで、以前は男性側の配偶子つまり精子についての妊孕性はあまり低下しないだろうと考えられていました。ところが、不妊クリニックを受診した1,500名の精液検査を行った研究がブラジルから報告されました。
それによると、男性の年齢が上がるにしたがって、正常精子の形態率や前進運動精子の低下が認められました。
またDNA fragmentation(精子の中の染色体に含まれるDNAの異常のひとつ)の率が上昇することが示されました。
もともと、精子には20%程度の染色体の異常があるといわれており、より、いい状態で治療を進めていくためにも、男性側の年齢も考慮したほうがよいかもしれません。