精子の状態

精子の状態

最近は不妊症で受診される患者さんは夫婦で受診される方が増えてきています。
もともと不妊原因の3分の1は男性因子であることが知られているので、この傾向は良いことだと思います。

当院では初診でこられた男性患者の方に精液検査、下垂体ホルモン、男性ホルモン、触診と超音波による精巣の検査を行っています。
男性にとって採精し、精子の状態を知る際は非常に緊張されるようです。
WHOの定める基準値を超えていることを知らせると、みなさん安心されます。

しかし、精子の濃度が低い、精子の動きがあまりよくないと説明を受けると落ち込まれています。
精子の状態が良くない原因としてはいろいろあるのですが、その中には身体的なストレスがあると思われる場合があります。

治療ではAIH(人工授精)などを行うのですが、ときどき、いつもと違いさらに状態が悪化している場合があります。生活の状態を聞くと2日間仕事で徹夜をしていたとのこと。
精子の状態は体調に大きく左右されるのだなと再確認する瞬間です。

逆を言えば、1回の精子の状態が悪くても、たまたまそのとき体調が悪かったのかも知れません。
あまり落ち込んだりしないようにして、治療を進めていきましょう。