活性酸素を発生させる病態に精索静脈瘤があります。
いい状態の精子(DNAの断片化の少ない精子)を回収するためには、精索静脈瘤の手術をすべきであるという発表がいくつかありました。
少し前までは、精索静脈瘤の手術は精子の状態を改善させるとはいえないとのことだったので、精子の状態の改善を目的に手術適応になることは少なかったのです。
しかし、現在の不妊症治療では、G2以上の精索静脈瘤(中等度以上の所見がある)について、精液所見に異常の有る場合は、手術により精液の状態が改善することも多く、男性不妊を積極的にあつかっている病院では手術をしています。
さらに、無精子症で静脈瘤のある患者に手術を行った場合、射精液中に精子が出現することがあるとのことでした。ただ、精子出現までは1年近くかかり、精子が出現するのは4割くらいなので、すべての人に手術を勧めてよいわけではありません。