医師の田口早桐です。
先週12月8日、9日と、横浜で開かれた日本生殖医学会に参加していました。
当院から演題は3題出していましたが、その内の一題は、私の発表で、「睡眠時間が着床に影響する。」でした。
実は、当初は、唾液中のストレスホルモンを測って、ストレスホルモンと着床との関係を調べようと思っていました。
と同時に、日常生活についてのアンケートをとっていました。胚移植の際に行ったのですが、ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
結果として、期待していたストレスホルモンと着床との間の相関関係は見出せなかったのですが、統計処理の結果、意外なことに、睡眠時間が短いと着床しにくくなる、という予期していなかった結果が出ました。
睡眠中は、ただ体の機能が休んでいるだけではなく、成長ホルモンや黄体ホルモンなど様々なホルモンが分泌されています。それに、免疫機能も低下します。
体の中は非常に活発に動いているのですね。
その活動のどの部分が、着床に影響するのか、興味深いところです。
学会でも、たくさんの方々から質問され、興味を持っていただくことができました。
今回たまたま得られた結果ではありますが、もっと例数を増やして、どのようなメカニズムで睡眠が着床に影響するのかを調べていこうと思っております。
と言うわけで、皆様、引き続きご協力を仰ぐことになるかと思いますが、よろしくお願いします。