ロックバンド、レッドウォリアーズのダイアモンド☆ユカイ さんが、自分が無精子症を乗り越えて子どもを授かったことを 告白されて、話題になっています。
女性で自らの不妊治療体験を 語る人は最近もう珍しくありませんが、男性で、それもロック バンドのヴォーカルという男性性を売り物にしている人が、 無精子症を告白することは、非常に珍しいと言えるのではない でしょうか。
当院でも無精子症の方はよくおられます。
射出した精液の中に 精子が一匹もいない状態を言いますが、やはりそれを告げたときの ご夫婦のショックは尋常ではありません。しかし、精子を作る 機能を担う「精巣」、つまり「睾丸」の中を調べてみれば、 約7割程度は、精子を見つけることができます。それを取り 出して顕微授精をすれば、妊娠することが充分可能ですので、 トライしてみない手はありません。
一旦はショックを受けた ご夫婦も、その後にこの治療法について説明すると、是非 受けてみたいとおっしゃることがほとんどです。
この、精巣から精子を取り出す方法を、TESE testicular sperm extraction 精巣内精子採取術といいます。
もちろん麻酔 をかけて行いますが、術後数時間で帰宅可能ですので、日帰りで できます。
精子を一旦取り出してから凍結しておき、採卵と体外 受精は後日にするところもありますが、当院では、少しでも成績を 上げる目的で、できるだけ精子採取日に採卵し、体外受精も行う ようにしています。
話はダイアモンド☆ユカイさんに戻りますが、インタビューに 答えて、「今まで男を売りにしてきたようなところがあるのに、 男としてのプライドや自信が崩壊した。」とおっしゃっていました。
でも、このようなネガティブな体験を堂々と語るなんて、本当に 勇気と自信のある素敵な男性だなあ、と私は思いますけど、皆さんは いかがですか?