医師の田口早桐です。
段々と暖かくなってきましたね。もう三月。
最近、ちょっと休んでいたけど、また体外受精を開始したいという希望で再診される方が増えています。
妙にそういう方が多いなあ、四月になると環境が変わるからその前に、ということかしら、と思っていたら、ある患者さんがちらっと「今から開始すれば、三月中に妊娠判定になりますよね。」とおっしゃったので、「旅行か何かのご予定でも?」と尋ねると、「助成金の関係で…。」と、口をもごもご。
そこで、はっと思いました。自治体によって違いはあるのですが、不妊治療の助成金を申請する場合、四月一日で期が変わるので、四月以前でいくらまで、四月以降でいくらまで、というように、助成金の申請ができるそうなのです。
体外受精は保険も効かず高額であるのに、ついつい診療している立場としては、必死になるとそんなことそっちのけになってしまいます。が、受ける側としては、少しでも経済的な負担を減らしたいのは当たり前のことですよね。患者さんも、我々診療している医師には言いにくいところがあるのか、聞きたいときは看護師や事務など他のスタッフに聞いていることが多いようです。
私も、大阪人の端くれですから、何かにつけてかかる費用を気にするのに、こんなことも意識していないとは、と、猛反省。費用にかかわることは、治療内容と同じくらい大事なこと。
助成金のことにせよ何にせよ、積極的に情報をお伝えしていこうと、スタッフとも話し合いました。
注 不妊治療に対する助成金のシステムは、各都道府県ごとに若干異なります。