医師の田口早桐です。
4月15日、広島で行われた日本産婦人科学会で発表を行ってきました。
演題は、「Case report: The occurrence of multinucleated embryos after intra-cytoplasmic sperm injection (ICSI) treatment may be prevented by the administration of prednisolone:
「症例報告:顕微授精後の多核受精卵の発生が、プレドニゾロンの投与によって防げるかもしれない。」でした。以前からブログでも取り上げている抗セントロメア抗体陽性の患者様の治療について報告したものです。
治療前のICSIで得られた受精卵は全て多核でしたが、治療として採卵前にprednisoloneを服用していただき、得られた卵子にICSIを行ったところ、全て正常な受精卵が得られました。そのうちの一つを移植したところ、無事に妊娠されました。
今、当院では培養の条件なども考慮して抗セントロメア抗体陽性例に対して治療を行っております。
ただし、抗セントロメア抗体陽性に対しての治療法はまだ確立しておらず、当院の報告について多くのクリニックから質問を受けました。
抗セントロメア抗体陽性といっても、症状や数値がお一人お一人違っています。
当院ではこれまでの治療経験を基に、患者様ごとにプランをご提案しています。