N.H.K.生殖医療研究会で講演させていただきました

N.H.K.生殖医療研究会で講演させていただきました

医師の田口早桐です。

3月4日、梅田のホテルモントレ大阪で行われたN.H.K.生殖医療研究会で講演させていただきました。

N.H.K.は、あのNippon Hoso Kyokaiではなく、発起人の大学や施設名の頭文字が会の名称になっています。

私が「今度N.H.K.で講演する予定でさあ、」と話を始めると、必ず周りの人がぎょっとしてこちらを見ますから、ちょっと面白いです。

私が話をさせていただいた内容は、「未婚女性の排卵誘発から卵子凍結における技術的課題」。

卵子凍結は、以前はあまり推奨されてきませんでした。
その理由は、細胞分裂の時期を考えると、受精卵に比べ染色体の異常が起きやすいと考えられたこと、また、回復率がとても悪かったこと、などがあります。
しかし、ガラス化法という方法での凍結が一般的になり、この方法での凍結であれば90~99%の回復率が見込めるとわかりました。そして現在では妊孕性温存に非常に有効な手段と考えられ、当院でも、年々希望者が増えています。

排卵誘発の方法や凍結法での注意点、それとレスキューIVMについて話をしました。
レスキューIVMは、当院が力を入れている技術のうちの一つで、採卵して未熟な卵子があった場合は、破棄してしまわずに体外培養を行う、というものです。卵子凍結の場合は成熟卵になった段階で凍結、体外受精の場合は成熟卵になったら、顕微授精で受精させます。

たくさん質問もいただいて、とても有意義でした。あと2題の演題は、「ART成績の向上を目指して~当院の取り組み~」と、「子宮内膜症の最近の話題と新規血清マーカーの開発」でした。こちらもとても勉強になりました。規模の小さな勉強会ならではの、歯に衣着せぬ討論が繰り広げられました。

次回は7月に予定されています。今から楽しみです。