医師の田口早桐です。
先日長崎で開かれた生殖医学会に出席してきました。
当院から5題発表していたのですが、内一題は、私が中心となって行った、日常生活と体外受精の成功率との関連を調べたものです。
前回、睡眠時間が短いと着床しにくいという統計上の結果を得ましたが、今回例数を増やして調査してみると、カフェイン摂取が多いことや(今現在吸っているかどうかよりも)今までの喫煙本数が多いことが着床に悪い影響を及ぼしている可能性が示唆されました。
アンケートを中心とした聞き取り調査で、集計して統計処理するだけではありますが、サンプル数が多いことが大事だと思います。
そして当院は体外受精(胚移植)の件数が多いため、得られた結果は、充分信頼できると思います。
ただ、質問の仕方は割りと重要で、同じ内容でも質問の仕方によって答えが異なるため、正確な状態が反映されないことがあります。
そのため、質問の立て方にも工夫が要ります。
卵巣機能及び妊娠率が年齢と共に低下するという事実が最近広く行き渡るようになってきて、女性雑誌などでも婚活が話題になることも多い昨今です。
当院でもよくAMH(anti-mullerian hormone抗ミュラー管ホルモン)の測定をしていますが、説明するまでもなくほとんどの方がご存知です。
私の行っている調査はあくまで体外受精に関するものですが、そこで得られたデータが、体外受精以前の妊娠しやすさ(妊孕性)に適用できる可能性もありますし、今後も症例数を増やして検討していくつもりです。
また皆様、その節はご協力をお願いいたします。