医師の田口早桐です。
引き続き、生活習慣と不妊、もしくは妊孕性との関係について。
昨年の生殖医学会で、私は、睡眠時間(が短いこと)が着床に影響している可能性について、発表しました。症例数を重ねてさらに調査していますが、まだ、結論は出せない状況です。
それとは別に、今年さらに症例数を増やして検討したところ、カフェインの摂取量が多いほうが着床しにくい、というデータも得てきています。
カフェインについては、以前より、摂取量が多いことが妊娠しにくさに影響しているのではないかという報告がありました。どうもそれは、我々のデータからも言えるようなのです。
今年4月に出版されたFertility Sterilityの中の論文では、932組のカップルに4周期にわたって人工授精を行う際に生活習慣に関する質問票に回答を求めて集計していますが、女性がコーヒーや紅茶を、「過去に習慣的に飲んでいたが今は止めた」人の妊娠率が高い、という結果が得られています。
ちなみに、アルコールに関しても同様の結果でした。もともと飲まない人たちよりも、「止めた」人の方が、妊娠率が高かったという点が興味深いです。
カフェインは、コーヒーや緑茶に多く含まれ、眠気を覚ます作用があるのはご存知の通りですが、日常的に飲む人と飲まない人との差がかなりあるようですね。
私も一時期、スターバックスなど最近あちらこちらで見かけるタイプのカフェに立ち寄るのが習慣化していて、ちょっとでも空き時間があると入り、中でパソコンをいじったりしていました。
気がつくとそれが日に2度3度となり、一日合計1,000円以上を費やし、且つ、私は大してコーヒーが好きではないし、味も分かっておらず、また、コーヒーを飲むとすぐに胃が痛くなるので半分以上を捨てているということに気づいてからは、きっぱりやめました。(なんで飲んでたのでしょう??)
コーヒーや緑茶の味や香りが好きな方が、一日1,2杯を楽しむのはいいと思いますが、それ以外は何気なくカフェインを摂るのはとりあえず止めておきましょう、というのが、私のアドバイス。
仕事上の打ち合わせに喫茶店を利用する方も要注意です。
ちなみに、「風呂上りのビールもしくは発泡酒」も、控えましょうね。
涼しくなってきたことですし。私もダイエットのために、今は、ノンアルコール&ノーカロリーのビールにしています。割といいですよ。ただ、これらの飲料の妊娠率への影響は、まだ不明ですけど。