採卵前のトリガー

採卵前のトリガー

11月に名古屋で行われた第69回生殖医学会に参加してきました。

採卵前のトリガー

不育症の専門であられる名古屋市立大学病院の杉浦真弓先生の主催とあって不育症に関する講演も多く貴重な参加でした。
不育症に関してはまた別の稿で書いてみようと思います。
今回はトリガーについて。
患者様が大きな決心をして体外受精に臨まれたのに、そして卵胞が育ったのに
思ったより採れないことにがっかりされた場面があるかもしれません。

卵胞は大きく育っても成熟していないと採れにくく、また採れても受精しにくくなります。
そのためにきちんと正確な時間を計算して、仕上げに成熟させる注射の時刻を指示しているのですが、
個人差(体調や年齢によるもの)や使用した刺激の注射薬剤によって反応が悪いことが起こってきて、
採卵数<<有効な卵胞数という結果になります。

そうなれば次回の採卵ではトリガーを増量する工夫をするのですが、そうすると採れた数が満足できても卵巣がいっそう腫れ上がって採卵後に悶絶するリスクもあります。救急車で搬送されるようなことは避けたいところです。
また成熟させる時間を少し長く持たせるべくトリガーの注射時刻を早める、という工夫があります。

これでうまくいって採卵数も確保できて、卵巣も必要以上に腫れ上がらないなら満足なのですが、
採卵の手前で排卵してしまう可能性も併せ持っています。

生殖医学会の中でトリガーについて検証している講演を聴いてみたのですが、
1時間早めたり、はたまた1時間遅くしてみたり、そして増量してみても結果として正解というのはなさそうでした。

やはり患者様一人一人に向き合ってオーダーメイド仕様で次につながる工夫をするしかないのだなぁと思いました。


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