妊孕性とは、「妊娠するための力」のことををいいます。
妊娠するためには、卵子と精子だけでなく、性機能や生殖器、内分泌の働きも重要です。
妊孕性は女性・男性両方に関わることです。
女性の妊孕性は20代のときが最も高く、30代で徐々に低下し、35歳を過ぎると急激に低下します。
2012年にNHKの「クローズアップ現代」が放送され、「卵子の老化」を初めて知った女性たちに衝撃が走りました。
卵子は老化し、35歳を超えると妊娠が難しくなるというものです。
次のグラフからも分かるように、30代後半からは年齢を重ねるごとに妊娠率は低下し、逆に流産率は上昇します。
その原因は、胎児期に作られた卵子が年齢とともに老化して質が低下することにあります。
出展:一般社団法人日本生殖医学会ホームページ|2020年体外受精・胚移植等の臨床実施成績より(2020_ARTdata.pdf)
したがって、最も妊娠に適した20代から30代前半の間に妊娠・出産の予定がなく、将来的には子どもが欲しいという場合は、卵子を凍結保存しておくことが望ましいと考えられます。
どれだけ見た目が若い女性でも、生まれたときから新しく作られることのない卵子は、実際の年齢と同じだけ年齢を重ねています。
卵子が老化し、染色体異常が増えることにより、受精がうまくいかなかったり、受精卵になっても分割しなかったり、着床したとしても流産が増える可能性があります。
卵子凍結をすることによって、現時点で最も質の良い卵子を確保することができ、凍結時の年齢における出産率が期待できます。
当院では凍結卵子を長期保管できる体制を整えています。