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無精子症の治療法「TESE(精巣内精子採取術)」

昨今、注目を浴びるようになってきた男性不妊。男性のうち、10人に1人が男性不妊に悩んでいるといわれています。

男性不妊の検査でまずすべきことは精子の状態の確認です。
男性不妊となる精子の異常には、大きく、精子が少ない「乏精子症」、精子の動きが遅い「精子無力症」、精子の形態異常が多い「奇形精子症」、精子がない「無精子症」に分かれます。

そこで、今回は、その中でも重度と言われる無精子症の治療法「TESE」に関するお話です。

無精子症は大きく二つに分けられる

精液中に精子がない方が無精子症と言われています。不妊で悩まれる20人に1人の方が無精子症です。
精子を運ぶ精管の閉塞が原因の閉塞性無精子症の方と、造精子能力がないか極端に能力が落ちている非閉塞性無精子症の方、大きく二つに分けられます。
ホルモン検査や睾丸のサイズなどで、ほぼ非閉塞性や閉塞性がわかります。

採取率は…

精管のみに問題がある場合100%、精巣(造精子機能)に問題がある場合20~40%に

陰嚢にメスを入れ、精巣組織から精子を直接採取する手術が「TESE(精巣内精子採取術)」です。
問題がある箇所によって、手術方法も若干変わってきます。
精子を運ぶための場所である精管に問題がある閉塞性無精子症の方は「Conventional TESE」、精巣に問題がある非閉塞性無精子症の方は「MD-TESE」になります。

Conventional TESEは、陰嚢にメスを入れ、精巣を3~5mmほどの大きさで2~3か所切開し、その部分にある精細管から精子を採取します。
精子がいる前提ですので、どの精細管からでも採取できます。
一方、精巣に問題がある非閉塞性無精子症の方は精子が造られている部分が非常に限られているためどこに精子があるかわかりません。
よって、MD-TESEで陰嚢にメスを入れて精巣を大きく切開し、拡大鏡を使って精巣から精子がいそうな精細管を探し出し、採取することになります。

精子のロスを最小限に抑えられるのがオーク会の特長

オーク会では、泌尿器科の専門医とともに院内でTESEを行なっています。
もし院内でTESEをすることができないクリニックであれば、泌尿器科に行ってTESEをし、精子を凍結してもらわなければいけません。
顕微授精をするために精子が必要となった際は、その凍結精子を持ってきて融解することになりますが、その過程を踏むとどうしても精子の質が落ちてしまいます。

オーク会では、新鮮な精子と卵子を受精させるために、TESEに合わせて女性の採卵を行い、精子のロスを最小限に抑えています。
もし、当日、精子が手術で採取できなかった場合、採卵を無駄にしないために、卵子を凍結します。

精巣を刺激して精子を回収

「MD-TESE」でも採取できなかった場合の次の方法は、まず、病理検査で精細胞があるかどうかを確認します。
精細胞がある場合は、精細胞を刺激すると、精子を採取できる可能性があります。
その場合、2回目の「TESE」の精子採取率は10%以下にはなりますが、約半年間、精細胞を刺激する下垂体ホルモンの注射をし、再度、「TESE」の手術を受けていただきます。
また、精細胞がない場合ですが、「TESE」では精子がありそうな一部の精巣組織しか見ていません。
たまたま、そこには精子がなく、精細胞もなかっただけかもしれません。
よって2回目以降、他の場所を探すという方法もあります。

手術時間は約30分で日帰り可能

手術時間は閉塞性の方で約30分、非閉塞性の方が1時間ぐらいで、日帰り手術が可能です。
全身麻酔で行いますので痛みはありません。術後も痛み止めを処方しますので、ご安心ください。

早めに検査を

男性不妊の場合、自覚症状がなく、自ら検査に来られることはまずありません。
女性側が不妊治療をはじめ、その流れの中で男性側の検査をし、発覚することが大半です。
もし、男性ご自身が少しでも不安を感じるようであれば、相談に来てください。