「体外受精を受けたいけれど、踏み切れない。」という場合に一番多い理由の一つとして、お金の問題があります。2013年現在、体外受精に掛かる費用は保険が効かず、全額自己負担となっています。
クリニック毎に料金設定が異なりますので、治療を受ける医療機関を決める際には、技術力や通いやすさのほかに、料金も視野に入れておくことが重要です。ここが他の治療を受ける際の医療機関の選択と大きく異なるところです。
例えば、保険でカバーされる治療を受ける際には、どこの医療機関でも自己負担額はほぼ一緒ですから、通いやすさや、手術などの処置にかかわることなら技術力の評判などが参考になるでしょう。また、保険外の医療、例えば豊胸などの美容手術や歯科のインプラントなどに関しては、大抵は一回限りなので、技術力とアフターケアなどが一番大事なポイントとなるのではないでしょうか?
体外受精を受ける場合、一度でうまく行けばよいですが、治療の成否が、その周期の卵子の状態に大きく依存するため、数回にわたり治療を続ける必要がある場合も多いです。いくら気合を入れて準備を整えても調子の悪い周期もあるし、「ダメモト」と思いながら受けて妊娠する場合もあります。一度駄目だからと言って諦める必要はなく、ある程度の回数(年齢によりますが、採卵回数で3~10回)は初めから覚悟していた方がよいのです。
ですので、一回あたりの値段が非常に重要になってきます。あまり高いと、続けることが出来ないので、妊娠のチャンスを失う可能性があるからです。ただ、体外受精に掛かる原価は非常に高く、例えば培養液のアンプル一本で数万円します。顕微鏡、培養器を中心とした器械類、そのメンテナンスコスト、培養室の無菌環境等も通常の医療設備の比較になりません。培養士等スタッフも優秀な人材が多数いればそれだけのコストが掛かります。
当院では、体外受精に掛かる費用をできるだけ減らすための努力を続けています。一例で言いますと、一律に血液検査(主にホルモン検査)を行うようなことはできるだけ避け、一人一人の状態に合わせて必要な検査を心掛けています。また、幸い多くの採卵周期を扱わせていただいていますから、クオリティーを犠牲にせずに全体の費用を下げることがある程度可能です。
繰り返しますが、多くの体外受精を受ける方にとって、予算の問題は重要です。また、体外受精のプランを立てる際にも必要な情報ですので、どうぞ遠慮なくスタッフにご相談ください。また、自治体により多少の差はあるものの、不妊治療に対して助成金が設けられており、その申請の手続きも致しております。なにとぞお気軽にご相談ください。