ホルモン検査

妊娠するには様々なホルモンが影響します。
これらのホルモンの分泌量が適正なものか調べることで自身の子宮や卵巣の機能を確認できるほか、排卵障害など有無を確認することもできます。
各ホルモンには生理周期に応じた検査に適した時期があります。

ホルモンについて

AMH
(アンチミュラー管ホルモン)
検査時期:生理周期のどの時期でも可。

AMH(アンチミュラー管ホルモン/Anti-Mullerianhormone)とは、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、女性の卵巣予備能を知る指標になると考えられています。
AMHは前胞状卵胞から分泌され、その測定値と発育卵胞の数は相関します。
従って、AMH濃度を測定することによって、残存する卵胞の数を測定し、卵巣年齢が何歳くらいか推定することができるのです。

FSH
(卵胞刺激ホルモン)
検査時期:生理開始1-5日目、正常値:2.7~9.8 mlU/ml 以下。

卵胞の成熟を促すホルモンで、卵巣予備能の指標となるホルモンです。
卵巣機能が低下すると上昇することが分かっていますが、FSHは月経周期によって大きく変動するため、FSHの値から卵巣年齢を正確に予測することは困難です。

LH
(黄体化ホルモン)
検査時期:生理開始1-5日目、正常値:1.4~12.8 mlU/ml 以下。

脳の下垂体から分泌され、排卵や生殖機能に関係の深いホルモンです。
黄体形成ホルモンは、卵巣に影響し排卵を起こす上でとても重要なホルモンで、排卵誘発を促すだけでなく、排卵後の卵胞を黄体化させプロゲステロンの分泌を促します。
排卵や子宮内膜の調整、妊娠成立後の妊娠の維持には欠かせないホルモンです。
血液検査で黄体形成ホルモン値は調べられ、同じく下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)と共に検査されることが多いです。

PRL
(プロラクチン、乳汁分泌ホルモン)
検査時期:生理開始1-5日目、正常値:4.3~32.4 ng/ml 以下。

脳下垂体前葉から分泌され、乳腺に作用し、乳汁の産生・分泌を調整するホルモンで、主に視床下部のドーパミンにより抑制されています。
妊娠や産褥期には血中プロラクチン値は高くなります。

E2
(卵胞ホルモン)
検査時期:卵胞期(低温期)、19.5~144.2 pg/ml 程度。

卵胞の発育に伴って卵胞内の顆粒膜細胞から分泌されるホルモンです。
間接的に卵子の成熟度を知る指標になり、子宮内膜を厚くし、着床しやすい状態にします。
卵胞ホルモンの値が一定以上の高い状態が続くことにより、排卵を促すLHサージが起きると考えられています。

P4
(黄体ホルモン)
検査時期:黄体期(高温期)、1.2~30.0 ng/ml 程度。

排卵後の卵胞は黄体と呼ばれ、その中の黄体化した顆粒膜細胞から分泌されるホルモンです。
黄体ホルモンは子宮内膜を厚くして、受精卵(胚)が着床し発育しやすくなるように働きかけます。
また体温を上昇させる作用があり、基礎体温が高くなります。
ただし、卵子が卵胞から放出されないまま卵胞が黄体化して黄体ホルモンを出すこと(黄体化未破裂卵胞; LUF)があり、体温の上昇や、黄体ホルモン値の上昇だけでは排卵の証拠にはなりません。