遺伝的な男性不妊症が原因の染色体微小欠失は、男性不妊の原因のうち2番目に多く見られます。
検査により、無精子症の方の精巣から精子がTESE(精巣内精子採取術)で採取できる可能性の予測ができます。
原因が遺伝的な男性不妊症で、Y染色体微小欠失はクラインフェルター症候群に次いで2番目に多く見られます。
Y染色体微小欠失分析検査では、精子形成に重要な働きをもつといわれているY染色体上のAZF(Azoospermia factor)領域の欠失の有無やその部位を調べます。
AZF領域は、AZFa, AZFb, AZFcの3領域から構成されており、当院の検査では全ての領域を対象としています。
検査によるAZF領域の欠失の有無およびその部位の特定により、無精子症の方の精巣から精子が精巣内精子採取術 (Testicular sperm extraction : TESE)で採取できるかどうかの可能性が予測できます。
〔参考〕
EAA (European Academy of Andrology) およびEMQN (European Molecular Genetics Quality Network) が発行したガイドラインより
完全欠失部位 | TESEによる精子回収の可能性 |
---|---|
AZFa | 精巣内精子採取の可能性はない |
AZFb | |
AZFb+c | |
AZFc | 精巣内精子採取の可能性があり、 ICSIにより挙児を得る可能性がある |
患者様の血液を採取し、血液中に含まれるDNAを検査に用いて、AZF領域の欠失の有無やその部位を分析します。
本検査では、AZF領域以外のY染色体微小欠失を検出することはできません。
本検査にてAZF領域の微小欠失が検出されない場合の治療法は、現時点では精巣内精子採取術および細胞質内精子注入法であることに変わりはありません。
42,850円(税込47,135円)
※料金は予告なく変更になる場合がございます。