造精機能障害以外の治療。
精液所見に異常はないが、精子が配偶者の生殖器管に到達できない場合であったり、勃起障害などの性交障害や射精障害、性欲障害などがあります。
当院では、カウンセリングや薬物療法、人工授精、体外受精など、個々のケースに応じた診療を実施しています。
ED(勃起不全)とは、「勃起機能の低下」を意味する英語Erectile Dysfunctionの略です。
専門的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」とされています。
実際には何かが原因でEDになったというよりは、複数の原因が重なって起こることが多いです。
EDの治療は薬物療法を中心に進めます。
治療薬はPDE-5阻害剤(バイアグラやシアリス)を処方します。
ただし、この薬はED自体の根本的な治療には繋がらず、あくまで勃起の発現、持続を助けるものです。
※網膜色素変性症、重度の肝障害、低血圧症、硝酸剤内服中の方、過敏症の既住歴のある方や心臓に異常のある方などには、処方できない場合もあります。
処方の流れにつきましては、問診票を記載していただき血圧測定後治療薬を処方します。
排卵前になると子宮の入り口の子宮頸管では粘液が増えて、膣の中に射精された精子が子宮の中に入っていきやすくなります。
しかし、子宮頸管に炎症があったり、粘液の中に精子を殺す抗体があったりすると、精子は子宮頸管の中に入っていくことができなくなったり、入っていってもその中で動けなくなったりします。
このようなことが起こっていないかどうか調べるのが、性交後検査(フーナーテスト)です。
検査方法は、性交後に腟に射精された精子の数と動きを調べることにより、子宮内に十分な精子が侵入しているかどうかを推測します。
精液の中に元気な精子がいて、子宮頸管の粘液の中にも精子を止めてしまう原因がなければ、粘液の中には元気に運動している精子が何匹も見えるはずです。
精液検査では問題がなく性交後検査で異常がある場合、何らかの不妊因子があると判断されAIH(人工授精)の適応になります。
AIHを3~6回行い、妊娠されない場合は、ステップアップを勧めます。
通常、タイミング療法やAIH(人工授精)では、精子と卵子が出会い、受精しますが、確実に受精しているかどうかは分かりません。
そのような原因不明不妊で、ART(高度生殖医療)を行った際にわかる異常として、受精障害があります。
受精障害とは、精子が十分にいるにもかかわらず、受精が起こらないことをいいます。
受精が起きない原因は大まかに言うと、
普段の診療や検査などで診断や原因を特定することはとても難しく、通常の体外受精(適度な濃度に調整した精子を卵子にふりかけて受精するのを待つIVF)で受精が思わしくない場合は、顕微授精(ICSI)による体外受精を行います。
射精時の内尿道口閉鎖不全により精液が膀胱内に流入する病態で、手術後の神経障害、糖尿病などが原因となるが、原因不明の原発性も多く、男性不妊の原因の1つです。
最も一般的な原因の1つは、前立腺肥大症に対する前立腺手術です。
治療には、イミプラミン50~70mgを連日内服します。
緑内障や心臓に異常のある場合は使えません。(心拍数の増加や血圧の上昇に注意し、それらについて定期的に医師によるチェックを受けてください)
しかし治療にて改善しないことも多く、挙児希望の場合は人工授精か体外受精、顕微授精を行なう場合がございます。
挙児希望でない場合で、加えてご本人が気にされない場合は、多くは治療の対象になりません。
人工授精や体外受精を行う場合は、採卵にあわせて直接膀胱から精子を回収します。