オーク会で実施している胎児診断

胎児診断外来:絨毛検査

妊娠10~15週(妊娠11週以降推奨)に胎盤の一部である絨毛を採取して、おなかの赤ちゃんに染色体異常がないかどうかを調べる検査です。

21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーなどを含むすべての染色体の異常がわかる確定検査になります。確定検査としては、羊水検査よりも早くわかるという利点があります。 当院では、染色体検査(Gバンド)、またさらに胎児に異常を起こす染色体の小さな欠失である微小欠失検査(マイクロアレイなど)を行うこともできます。

カップルの年齢が高くなると胎児の染色体異常などを引き起こす確率が上昇するため、絨毛検査を希望するカップルも少なくありません。

同時期に行う検査にNIPTがありますが、NIPTは「染色体異常の疑いがあるかどうか」を調べるスクリーニング検査であって確定検査ではありません。たとえばNIPTで陰性という結果であったとしても偽陰性の可能性もあり、本当に陰性なのかどうかはわかりません。そのためNIPTか絨毛検査か、どちらかで迷われている場合は確定検査である絨毛検査をお勧めします。ただ、約0.2%という大変低い確率ではありますが、流産を引き起こす可能性があります。
またPGTを行ったカップルの場合は、検査部位が胎盤由来となる絨毛検査よりも羊水検査を強くお勧めします。

染色体の問題以外のことは、胎児精密超音波検査が有効ですので合わせて行うと安心です。

検査方法

妊娠10~15週に超音波検査(経腟か経腹)で胎盤や臍帯付着部位を確認し、絨毛細胞を採取して検査します。
採取した絨毛細胞は、染色体検査(Gバンド)、またさらに微小欠失検査(マイクロアレイなど)で検査し、検査後約2週間で結果をお知らせすることができます。

検査後は2~3時間程度、院内で安静にし、赤ちゃんの状態を確認してからお帰りいただけます。
検査をした日は、入浴は避けて、なるべく静かに過ごしてください。

▶︎ 経腟法の場合

絨毛検査鉗子を腟から子宮頚管を挿入して絨毛細胞を採取します。
検査後、少量の出血が続くことがありますが、1~2日ほどで治ることがほとんどです。出血が長く続く、また出血量が多い場合はご連絡ください。

経腟法

▶︎ 経腹法の場合

腹部に注射針を刺し、絨毛細胞を採取します。

検査時には局所麻酔を使うため、痛みはほとんどありません。ただし、針を刺した部分の痛みが治まらなかったり、痛みが続いたりした場合はご連絡ください。

※胎盤が母体の背中側に位置しているなど、経腹法では難しいと判断された場合は、経腟法で行います。

経腹法

▶︎ 染色体検査(Gバンド)

一般的な絨毛検査は、Gバンド分析という方法で行います。

絨毛細胞を培養して細胞数を増やし、染色体の形が識別できる時期(分裂期)の細胞を選んで染色して観察・解析します。
この方法では、1~22番の染色体とX、Yの性染色体がそれぞれ何本あるかがわかります。
また、染色体を1本ずつ観察するので、大きな異常であれば部分的に多いか少ないか、転座(染色体が部分的に入れ替わっている)があるかなどもわかります。

▶︎ 微小欠失検査(マイクロアレイなど)

染色体は、タンパクとDNA(遺伝子)でできています。
DNAはアデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の塩基が2重らせん状に結合したもので、塩基の並び方(塩基配列)が遺伝情報です。
塩基の数や配列は生物種によって決まっていますが、数百~千塩基に1個程度は標準の塩基配列と異なる配列になっている部分があります。

その1塩基の違いはスニップ(Single Nucleotide polymorphism;SNP)と呼ばれ、生物の個体差や多様性の元となっています。

ヒトの場合、30億の塩基の中に約1000万箇所のスニップがあると言われており、先天性疾患に関連するスニップも複数同定されています。
染色体を塩基配列のレベルで解析する「SNPマイクロアレイ」という方法を用いることにより、Gバンド分析ではわからなかった微細な染色体異常を診断することができます。
染色体微細欠失症候群は欠損の部位によって症状は異なり(表1)、全く症状が無いものもありますが、重篤な症状を合併する場合もあります。
有名なものでは、臓器の発生異常や心臓の奇形、精神発達遅滞、言語障害、免疫不全を伴うディ・ジョージ症候群があり、その頻度は4000~5000人に一人と言われています。

染色体とDNA断片の図 # DNA断片を増幅、ハイブリダイゼーション、解析の図 # Report図
    DNA断片を増幅

ハイブリダイゼーション

解析
  微細な異常も検出可

表1.染色体微細欠失症候群

名称 染色体の欠損部位 主な症状
ウォルフ-ヒルシュホーン症候群 4番染色体短腕(4p) 特徴的顔貌、成長障害、重度精神遅滞、筋緊張低下、難治性てんかん、摂食障害
ウィリアムズ症候群 7番染色体長腕(7q11.23) 大動脈弁狭窄、精神遅滞、妖精様顔貌、乳児期における一過性の高カルシウム血症
プラダー-ウィリー症候群 父親由来染色体の15番染色体長腕
(15q11)
出生時からの筋緊張低下、肥満、性腺機能低下、小さな手足、精神遅滞
アンゲルマン症候群 母親由来染色体の15番染色体長腕
(15q11)
痙攣発作、操り人形様運動失調、突発的に笑う、手を羽ばたかせる、重度の精神遅滞
ミラー-ディーカー症候群 17番染色体短腕(17p13.3) 滑脳症、低い上向きの鼻、重度の発育遅滞、痙攣発作、重度の精神遅滞
ディ・ジョージ症候群 22番染色体長腕(22q11.21) 胸腺および副甲状腺の低形成または欠如、心奇形、口蓋裂、精神遅滞、精神医学的問題

検査からわかること

胎児の21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーなどの染色体の数の異常、また一部に小さな欠けている部分があるなどの染色体の形の異常を調べることができます。
染色体の数の異常は、母体年齢が上がることでその確率が高くなる傾向にありますが、微小欠失は母体年齢に関係なく偶発的に起こるといわれています。
また、何番目の染色体に数や形の異常が起こっているかによっても赤ちゃんに起こること、症状などに違いがありますので、検査結果によって、その後どうするのかなどは、検査を受ける前によくふたりで話し合っておきましょう。
また、確定検査ではありますが、すべての先天性疾患を診断できるわけではありません。
そのほか、母体細胞の混入、胎児胎盤細胞の培養不良、その他予期せぬ原因により検査を完遂できない可能性や多胎妊娠などで正確な結果が出ないことがあります。
なかには、モザイク(正常な細胞と染色体異常が混在している)という結果や意義が明らかになっていない微細な染色体の変化が検出される可能性があります。
当院では、遺伝カウンセリングを行い、お二人をサポートしていますので、遠慮なくご相談ください。

検査費用

絨毛検査(手技料込み) Gband法 ¥168,000(税込¥184,800)
+迅速法(FISH等) +¥20,000(税込¥21,000)
+微細欠失検出(マイクロアレイ) +¥100,000(税込¥110,000)

※料金は予告無く変更する可能性があります。
※検査の結果は遅れることもあります。あくまでも目安とご理解ください。
※検査を受けるには、予約が必要となります。お電話でお問い合わせください。

絨毛検査のメリットとデメリット

メリット

  • ● 胎児の染色体異常に関する確定検査ができる
  • ● 羊水検査に比べて妊娠の早い時期に確定検査ができる
  • ● 検査結果に問題がなければ安心して妊娠生活を過ごす時間が長い

デメリット

  • ● 0.2%程度ではあるが、流産の要因になることがある
  • ● 稀に胎盤性モザイクという結果が出ることがあり、この場合は胎児の染色体についてはわからないため、再検査または羊水検査を検討する
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