無精子症の当院での治療

無精子症とは精液中に精子が見られない状態のことを言います。
精液検査で精子が確認できない場合、無精子症の可能性があり、一般的に100人に1人の割合で無精子症の男性がいます。
不妊治療中の患者様の中には5人に1人が無精子症と言われています。

当院では基本的に MD‐TESE(顕微鏡下精巣内精子採取術) を行い、精巣から精子を採取し、顕微授精を行っています。

閉塞性無精子症

精子は作られているが、精液が運ばれる道筋の途中(精管、射精管)で閉鎖している状態。
発症原因は、鼠径ヘルニアの手術後、精管切断術(パイプカット)後などがあります。

この場合、精巣は正常なので精巣内精子回収法(MD-TESE)を行うことで、高確率で精子回収することができるといわれています。

閉塞性無精子症

非閉塞性無精子症

精子が作られていない状態。作られていても非常に数が少なく、精液中に精子を認めない状態。
発症原因は、流行性耳下腺炎後などがあります。

この場合、一部の症例を除いて、治療により造精機能が回復することはほぼありません。
そのため、精子を回収するためには MD‐TESE を行うしかありません。
特発性でFSHが高い場合は、精子が回収できないこともあります。

非閉塞性無精子症

精液が出ない

性交を行うのに十分な勃起が得られなかったり、射精ができないなどの性機能障害の場合は、薬物療法を中心に進めます。
原発性の射精障害、脊髄損傷、糖尿病でEDの治療に抵抗性がある場合は、場合によりMD‐TESEで精子回収を行います。

精液が出ない

逆行性射精

イミプラミン50~70mgを連日内服します。緑内障や心臓に異常のある場合は使えません。
しかし、治療にて改善しないことも多く、挙児希望の場合は、人工授精か体外受精、顕微授精を行なう場合がございます。
人工授精や体外受精を行う場合は、採卵にあわせて直接膀胱から精子を回収します。

逆行性射精