クアトロテストとは、母体血液中にある胎児や胎盤の4つの成分を測定して、胎児に21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、無脳症などの開放性神経管奇形である確率を算出するスクリーニングテストです。
母体年齢が高くなるほど、21トリソミー(ダウン症候群)や18トリソミーの出生率が高くなります。
妊娠15〜17週の母体から少量を採血し、血液中の4つの成分(AFP、 hCG、uE3、Inhibin A*)を測定します。
これらは妊娠中に胎児または胎盤などでつくられる成分で、妊娠週数が進むにつれて増減しますが、胎児に21トリソミー(ダウン症候群)などがあることによっても増減します。
この4つの成分の値に、母体年齢、妊娠週数、日本人の基準値などを加えて胎児に染色体異常などがある可能性を確率として計算します。
クアトロテストは、母体年齢固有の確率をもとに一人ひとりの確率を計算しますが、妊娠時の年齢が高い人ほど高くなる傾向があります。
*AFP(αフェトプロテイン:妊娠早期の胎児にみられる血清蛋白の一種)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン:胎盤絨毛細胞から分泌される性腺刺激ホルモン)、uE3(エストリオール:卵胞ホルモンの一種で胎児の胎盤でつくられる)、Inhibin A(インヒビン A:主に排卵直前の大型卵胞から分泌される卵胞や黄体から分泌される)
胎児の21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、開放性神経管奇形である確率がわかります。
結果は分数で示されます。1/500という結果だった場合は、同じ1/500の結果が出た妊婦500人のうち1人の胎児が21トリソミー(ダウン症候群)の可能性があると解釈します。確率計算なのでゼロという結果が出ることはありません。
また、それぞれの疾患ごとに基準値があり、この基準値と結果を比較して上回った場合に「スクリーニング陽性」、下回った場合に「スクリーニング陰性」と結果を保お知らせします。しかし、約2万症例の調査ではスクリーニング陽性の結果は約9%で、そのうち実際におなかの赤ちゃんが21トリソミー(ダウン症候群)だったのは約2%という報告があります。一方、「スクリーニング陰性」だった場合は、染色体異常がないことがほとんどです。
このようにクアトロテストは、確率として結果が示されるので確定診断ではありません。この結果から、確定検査となる絨毛検査や羊水検査をされるカップルもいます。
また、クアトロテストでの「偽陰性」の可能性や染色体異常以外の先天異常の診断のために、胎児精密超音波検査との併用を強くお勧めします。
クアトロテスト | ¥25,000(税込¥27,500) |
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